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合意形成について

皆さんは、『合意形成』という言葉をご存知でしょうか?

『合意形成』とは、ステークホルダー間で議論などを行い相互の意見の一致を図る意思決定の過程を意味し、昨今はリハビリテーションの場面においても重要視されています。

対象者と会話を進める中で『合意形成』は図られますが、「会話コミュニケーションによる相互信頼感形成の共関心モデル」1では、3つの構成要素が示されています。

論点:会話コミュニケーションの中で合意を形成すべき事柄

関心:論点に関して会話参加者同士が何らかの合意を形成するに当って,会話参加者がそれぞれ有

している主観的な価値判断基準

提案:合意の候補となる提案

これらをリハ職の介入場面で例えてみましょう。

まず『論点』は、改善や維持を図ろうとしている動作・生活行為となるでしょう。

漠然と「ADLが自立する」「歩行が安定する」というレベルではなく、「どの場面での」「どの動作・生活行為」について話し合っているかが具体的である方が議論は深めやすいでしょう。

 『関心』は、先の『論点』の中で個人が重要視している部分と考えてよいでしょう。

“歩行”であれば、どこから・どこまでの・どのような歩行ができれば、 “入浴”であれば、どこでの・どのような入浴が、“調理”であればどうやって・何が作れれば、「自分は元気になった!」と思えるか?

これらの内容は、十人十色です。この『関心』には、専門職側の意見(予後予測など)も該当します。

 『提案』は、目標や目標達成までの手段となるでしょう。

ご本人の『関心』と、専門職の意見・予後予測が乖離する場合は往々にしてありますので、双方に意見を交わし、その折り合いを探るというプロセスが重要となります。

折り合いを探るにあたっては、複数の選択肢を提示し、それら一つ一つのメリット・デメリットを丁寧に説明しましょう。

これらは非常に労力と時間のかかる作業ですが、ご本人と専門職の双方が最も納得できる選択を行う上で必要不可欠なものと考えます。

 (引用)

※1 「会話コミュニケーションによる相互信頼感形成の共関心モデル」

片桐 恭弘・石崎 雅人・伝 康晴・高梨 克也・榎本 美香・岡田 将吾

Cognitive Studies, 22(1), 97-109. (March 2015)

 投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。