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Hoffer座位能力分類

在宅リハビリテーションケアスクール登録講師の波野です。

本日の前回に引き続き、車いす選定におけるスクリーニングについてお話いたします。

前回、対象者の端座位の能力によって、「標準型車いす/セミモジュラー車椅子」「モジュラー車椅子」「姿勢変換型車椅子」の選択を行うとお話いたしました。

今回はその端座位の能力とはどのようなものであるかということをお話していきます。

端座位の能力は、Hoffer座位能力分類(JSSC版)という評価にもとづいて実施します。

この評価では、端座位の能力は3つに分けています。

1:手の支持なしで座位可能 → 手で姿勢を支えることなく端座位がとれます。

2:手の支持で座位可能   → 手で姿勢を支えることで端座位がとれます。

3:座位不能        → ご自身の力では端座位がとれません。

30秒程度で判断します。

3段階です。


引用:リハビリテーション職種の在宅リハビリ・ケア

対象者の座位能力がこの3つのうちどれに当たるかによって、適応となる車いすをある程度絞ることができます。

1の「手の支持なしで座位可能」の場合、主に標準型車いすやセミモジュラー車椅子が適応となります。

2の「手の支持で座位可能」であれば、セミモジュラー車椅子やモジュラー車椅子

3の「座位不能」では、姿勢変換型車いすが適応となります。

車椅子の選定を行う際、まずはこのようにその方の端座位の能力に適応となる車椅子を検討することが必要です。

現場においてよくあることは3の座位不能の方に対して、標準型の車椅子を使用し、姿勢が崩れてしまうということを課題とされている状況です。

この状況は適応を知っていれば、根本的な部分で間違っているということがお分かりになっていただけるはずです。

もちろんあくまでスクリーニングですので、すべての方が当てはまるわけではないと思いますが、車椅子は生活で使用する道具です。

セラピストがみている一瞬だけきれいな姿勢で座ることができればよいというわけではないでしょう。

そのため、身体状況に合わせて選定を行うということは快適な生活のためにはまず第一歩であるといえると思います。

ぜひ車椅子上での姿勢崩れが課題となっている場合、まずはスクリーニングから実施してみてください。

 

 

投稿者
波野優貴先生


理学療法士
福祉用具プランナー
シーティングコンサルタント
勤務先
◯株式会社SOMPOケアネクスト
地域包括ケア推進部生活リハビリ推進グループ
◯大阪府立大学 非常勤講師
福祉用具論の一部を担当