ブログ詳細

Blog List

血圧数値から考える入浴の中止基準について

理学療法士・作業療法士の方が、入浴動作にアプローチを行うことは多くあるかと思います。

入浴動作は、『移動(脱衣所・浴室まで、脱衣所・浴室内)』『衣服の着脱』『洗髪・洗身』『浴槽の出入り』『身体を拭く・乾かす』と工程数が多い上、身体の全般的な機能が要求される生活行為です。

また、事故の発生率が高い生活行為でもあり、高齢者の入浴に関する死亡事故は多くの研究で指摘されています。

しかしながら、安全に入浴が可能とする血圧や体温などの具体的な数値基準は示されておらず、医療・介護現場での判断に委ねられているのが現状です。

そのため、特に介護現場における入浴中止基準は施設によってバラバラであり、医師への確認すら行われていないケースも一部あるというのが実際のようです。 

入浴による体調不良や事故発生との関連を調べた研究では、入浴による体調不良・事故発生の危険因子である可能性が示唆されるものとして、以下の状態を示しています。

入浴前の収縮期血圧が160mmHg以上である場合

入浴前の拡張期血圧が100mmHg以上である場合

入浴前の収縮期血圧が160mmHg以上では、入浴事故が3.63倍、入浴前の拡張期血圧が100mmHg以上では入浴事故が14.71倍増加したという研究結果もあります。

 これらの結果を参照すると、収縮期血圧160mmHg・収縮期血圧100mmHgが、その日の入浴中止を検討する一つの目安になると考えられます。

 もちろん主治医からの意見をもとに判断することが、より高い安全性・安心感を期待できると考えます。

しかし、すぐに具体的な意見・指示を得ることができない場合、チーム内で対応を協議する際に活用できる知識であるとも考えます。

投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。