PT小池隆二の臨床家ノート ③病院と在宅における環境の違い~フィードフォワードとフィードバック~
今回は病院と在宅でリハビリテーションを実施する『環境』をどのように捉え、
治療場面に活かしていくのかをお伝えしていきます。
≪下記に該当する方は参考にしてください≫
〇回復期リハビリテーションで従事している方
〇在宅で病院から退院直後の方を担当する方
〇病院では動作が可能だったが、在宅では上手くいかないというケースを担当する方
皆様も一度は『病院では上手く動作が出来ていたのに自宅に帰ると動作が出来なくなった』
ということを耳にしたことはないでしょうか。
また在宅に関わるセラピストからは、在宅の強みは実際の場面で練習出来ることですということもよく聞かれると思います。
では皆様は病院と在宅の環境というものをどのように捉えているでしょうか。
【セラピスト目線での分類】
〇病院→治療の対象者:変化あり 環境:変化なし(全員同一の病院内で実施する)
〇在宅→治療の対象者:変化あり 環境:変化あり(全員個々の在宅環境で実施する)
※上記から考えられることは、病院内では治療場面の環境に違いがないことから、対象者を比較する時に主に身体機能の比較になります。
しかし,在宅では、対象者もその時その時で変わり、併せて治療場面の環境も対象者の性格と同様に個々で大きな違いをもたらします。
よって在宅では身体機能のみに着目し、治療を展開するのではなく、自宅環境が身体機能にどのような影響をもたらしているのかを考慮することが大切になります。
上記でお伝えしました影響とは、皆様も学生時代に習っていると思われる、フィードフォワードとフィードバックというものです。
これが生活習慣の中で毎日繰り返されるので、治療時には良い結果が得られたとしてもその他の生活時間で身体機能へ良くないフィードフォワードとフィードバックが反復されればそれが習慣化してしまいます。
このことも考慮しながら治療プログラムや生活習慣の提案をしていくとまた違ったアプローチが出来るのではないでしょうか。
投稿者
小池隆二先生
理学療法士
湖東地域医療介護連携ワーキング部会員
能登川地区医療福祉ネットワーク 企画・運営
株式会社OneMoreShip 代表取締役