再現性のあるポジショニングとは?支援者が実践できる方法を考える
今回は、ポジショニングにおいてセラピストが重要視すべき点についてお話しします。
ポジショニングに関しては、さまざまな知見や手技、方法が世の中に存在しています。
そうした知識や技術を学ぶ際に、どのように臨床で活かすべきか悩まれることもあるでしょう。
私が臨床で特に重要視しているポイントは、以下の2つです。
1. 再現性を高め、自分でなくても実施できる方法か
生活におけるポジショニングの実施主体は、主たる支援者(介護職や家族)です。
主たる支援者が日常の支援の中で実施できる方法でなければ、そもそも提供が成立しません。
2. 自分が実施しなくても効果を発揮できる方法か
主たる支援者が実施者である以上、リハ職が関与しない場合でも効果を発揮できる方法でなければ、実施する意味がなくなってしまいます。
ポジショニングの目的を達成できる方法であるかどうかが、最も重要なポイントです。
この2つのポイントは、実は相反する要素を持っています。
再現性を高め、自分でなくても実施できる方法を追求すると、ポジショニングの効果が下がることがあります。
一方で、高い効果を発揮しようとすると、再現性が低くなり、セラピストがいなければ実施できないポジショニングになってしまうこともあります。
つまり、求められるのは 「この2つの要素のバランスを取ること」 です。
また、この2つの要素を突き詰めて考えると、再現性を高め、効果を最大限に引き出すための方法は ポジショニングの技術そのものだけではない ということに気づきます。
鍵となるのは、周囲のポジショニング実施者のスキル向上 です。
ポジショニングを学び、臨床で活用する際には、ぜひこの2点を意識し、周囲との連携を重視してみてください。
どんなに優れた手技や高度な方法よりも、こうした視点が最終的には高い効果につながると、私は考えています。
投稿者
波野優貴先生
理学療法士
福祉用具プランナー
シーティングコンサルタント
勤務先
◯株式会社SOMPO
◯大阪府立大学 非常勤講師
福祉用具論の一部を担当