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PT波野優貴の臨床家ノート シルバーカーと歩行器の違い

今回はシルバーカーと歩行器の違いについてお話させていただきます。

シルバーカーと歩行器、世間一般では同じものの様に混同されることもあるものではありますが、これら二つには明確な違いがあります。

その理由から、歩行器は介護保険の貸与の品目になっていますが、シルバーカーは貸与の品目には入っていません。

その違いとは、重心位置の違いです。

図のようにシルバーカーでは使用者の重心位置はシルバーカーの外にあります。

それに対して歩行器は歩行器の4つの車輪の中に重心位置が存在するように作られています。

これにより歩行器は体重をしっかりと支えるような構造となっています。シルバーカーは体重をかけると前輪が浮いてしますため、使用者の体重を支える上では不十分となってしまいます。

シルバーカーを使用して歩行時にバランスを崩すことを予防するという意味では効果的ですが、体重を預けて歩行する必要がある方にとってはシルバーカーでは、歩行が不安定になることもあるため注意が必要です。

そのほか歩行器には様々なタイプがあり、リハビリで使用する馬蹄型歩行器といわれるものや、前方についたパットに肘をつき、そこで体重をかけて使用するタイプのものなどがあります。

いずれも体重をかけた際に不安定とならない構造になっています。

先に述べたように歩行器は世間一般ではシルバーカーと同義に扱われることもしばしばあります。

しかしその機能や使用対象者は上記の様に大きく違っています。選定する際には、言葉の認識が統一されているのかどうかという点から確認し、慎重に検討を行う必要があります。

投稿者
波野優貴先生


理学療法士
福祉用具プランナー
シーティングコンサルタント
勤務先
◯株式会社SOMPOケアネクスト
地域包括ケア推進部生活リハビリ推進グループ
◯大阪府立大学 非常勤講師
福祉用具論の一部を担当