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OT浅田健吾の臨床家ノート 目標設定のポイント 目標達成までの期間

皆さんは患者・利用者と目標設定を行う際に、達成までの期間をどのように考えるでしょうか? 

病院で勤務している方々は、退院まで期間で長期目標を設定し、その過程で複数の短期目標を設定される事が多いと思います。

一方、在宅領域(通所・訪問)で勤務されている方々は、ケアプランや他のサービス提供者と合わせて期間の設定をする事が多い印象を受けています。

どちらも間違った設定方法ではないと思いますが、セラピーの要素を加味した場合は短期目標を細かく設定すると良いかもしれません。

 人は『自分が必要性を感じている具体的な生活レベルでの目標』を達成した時、自己効力感を得やすいとされています。

例えば皆さんも、何らかの目標を達成し、身近な人から称賛の言葉をかけてもらって「自分だって、やればできるんだ」と自信を持てた経験があるかと思います。

そのような時、「次は○○も目指してみようかな」とか「ひょっとしたら○○もできるかもしれない」と、次の新たな目標をイメージして意欲的になれる自分が存在した事はありませんでしたか? 

上記は、セラピーの世界でも応用する事が可能です。

ほんの些細な事でも『自分の頑張りで何かを成しえた瞬間』に「あなたが行動したことで、この結果が招かれたのですよ」という旨の言葉かけがあると、『自分には、この結果を招く能力があったのだ』と感じる事ができます。

そこで更に身近な人が「あなたがこの結果を得た事を、私も自分の事のように嬉しく思う」と言われると、『自分が起こした行動は、他者にも良い形で作用した』という事が実感されます。

他者の役に立つという経験は、同時に自分の有能さを実感し、新たな目標を達成している自分自身をイメージする事にも繋がります。

セラピストは、その『新たな目標』と『目標達成までのプロセス』の具体化を支援します。

そこで目標を細かく“スモールステップ”で設定すると、『激励(あなたならできる! ○○すれば達成できる!)
→目標達成(やった!できた!)
→正のフィードバック(○○したから、○○ができるようになりました!)』のループを形成する事ができ、クライアントのモチベーションを維持・向上させる事ができるのです。

 是非、試してみてください。

目標設定の重要性については、こちらの書籍もご参考になさってください。

『リハビリテーション職種の在宅リハビリ・ケア』株式会社シービーアール

https://cbr-pub.com/book/075.html

 

 投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。