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OT浅田健吾の臨床家ノート 目標設定のポイント 「目標の文言としての在り方」

今回は、目標の文言としての在り方について解説いたします。 

『目標設定のポイント①』でも解説しましたが、目標は「価値や能力などを定めるときの標準となる程度・レベル」を示せている必要があります。

これはつまり、「誰が視ても・聞いても、同じ判断になる文言」であるべきということです。 

この「程度・レベル」を具体的示すために役立つ方法は「5W1H」です。

例で示すと、以下の通りとなります。 

What(何を)」:排泄動作が

When(いつ)」:日中

Where(どこで)」:自宅のトイレで

Who(誰と)」:妻による

How(どのように)」:下衣操作の介助があれば

可能となる。 

目標の記載欄には、上記の通り「4WH」でよいと考えます。

Why」に関しては、主訴や思いの記載欄が設けられている書類であれば、そこに記載しましょう。

また、ご家族・介護者への説明や、サービス担当者会議や退院前カンファレンス等における他職種への説明の際にも付け加えると、その必要性を認識してもらいやすくなると思います。

 

※「Why(なぜ)」の例

日中であれば転倒の危険性がほぼ無く屋内歩行を単独で行え、パットを含めた下衣操作程度であれば妻は負担を感じず行える。本人はトイレでの排泄を強く希望しているが、夜間は眠剤使用している事に加えて、妻は歩行介助に対する不安と負担を感じている。

 目標を具体的に設定することは、効果判定の指標として機能しやすくなること、介護者・他職種の協力を得られやすくなること、セラピストの仕事内容を発信することにも繋がると考えます。

是非、実践してみてください。

 投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。