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PT山口剛司の臨床家ノート 足部の診かたシリーズ その5  足部の運動範囲を評価せよ

前回記載した、足の関節運動が伴う場合のポジティブな印象の場合は、関節の運動範囲はどうなの?というのが問題となります。

これもあくまで臨床においては、動的な場面での観察と対応になるので、あくまでセラピストの目測と主観的、患者さんの主観的な感覚でしかありません。

つまりはこれも定量化はできていません。

しかしながら運動の範囲は、ごくわずかであるということは言えます。

角度的には回内外の範囲は20°程度の可動性がありますが、見た目は小さい範囲を動いている程度なので、これが観察するのを難しくしています。

また、観察する時の視線が上から足を見下ろす形式になるとさらにわかりにくくなります。

ポイントは、視線をできる限り下げて地面に接している足と水平ラインに近づくように、しゃがんで観察することなどで、より動きが捉えやすくなります。

 

次に荷重位における足の運動は、足底面は、浮いているところがなく、接地していることが条件で、かつ姿勢が正中位で動揺していないことが重要です。

つまり、回内・回外運動は生じるものの、運動範囲は細かく回内外運動が生じても小さな振幅で制御できていることと、満遍なく足底面が接地していることか重要です。

よくメディアで立位姿勢において、足趾が接地していなかったら浮趾だとか、非荷重位で母趾伸展角度が90°以上あれば浮趾というなど間違った情報が飛び交っています。

これは、訂正が必要で、片脚立位やフォワードランジなど運動タスクの難易度が上がってきた時に足趾が接地できるかどうかで、浮趾という診断ができます。

そのため、片脚立位では、足趾の屈曲運動の参与が必要となってきます。

 

執筆者
山口剛司 PT, mysole®Grand Meister

理学療法士
運動器疾患、スポーツ選手の臨床が豊富で、現在はインソール作成会社に勤務している。

足部・足関節の関節可動域、筋力、アライメントなどの関節機能や歩行などの動作分析を行い、個人に適したインソールを作成するという足部・足関節のスペシャリストである。