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PT楠貴光の臨床家ノート 肩甲骨の機能を運動学的に考える その4

今回のテーマは、『鎖骨をしっかり捉えて、触診する』

これまで肩甲骨の動きの考え方のポイントとして肩鎖関節、胸鎖関節でのそれぞれの運動について、また鎖骨の形状と、その特徴についてお話させて頂きました。

今回からは、鎖骨に着目して、肩鎖関節、胸鎖関節を触診するときのポイントを少しずつ整理していきたいと思います。

鎖骨の近位端が胸鎖関節、遠位端が肩鎖関節となり、鎖骨はS字型をしているので、それぞれの関節をしっかりと触診する際には、まず鎖骨の形状を捉えることが重要な手かがりとなります。

(1)鎖骨を長軸で触診し、大まかな形状を把握する。

鎖骨に人差し指を置き、上縁/下縁に沿って、その形状を確認してみて下さい。

また、二本の指で鎖骨をつまむようにしても、形状を確認することができます。

このとき近位部では、前方に弯曲し、遠位になるにつれ後方に弯曲していくのを感じられます。

さらに鎖骨の下方には、付着する大胸筋鎖骨部線維と三角筋前部線維があり、ちょうど鎖骨の中央部付近には、三角筋大胸筋三角と呼ばれる窪みが触診できます。

内側が大胸筋鎖骨部線維の上縁、外側が三角筋前部線維の前縁として、それぞれの筋を触り分ける際のポイントになります。

次回は、

②鎖骨の近位端(胸鎖関節)の触診

③鎖骨の遠位端(肩鎖関節)の触診について、お話させて頂こうと考えています。

投稿者
楠 貴光先生

六地蔵総合病院 リハビリテーション科
上肢機能に関する学会・論文発表が多数
臨床と研究を組み合わせて高いリハビリテーション効果を出している若手臨床家