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リハビリテーションにおける工程分析について

日々の臨床において様々な評価が行われる中で、、対象者の方が困難としているADLIADLの『工程分析』も実施されていると思います。

『工程分析』とは、対象となる生活行為の“どの段階で問題が生じているか”を特定する際に役立つものであり、どの動作が行えるようになれば、その生活行為の自立度が増すかを説明できることにも繋がります。

この『工程分析』を行わず、心身機能のみに着目しすぎた評価・治療が行われると、機能自体は改善していても、ADL・IADLの自立度がなかなか向上しないといった事態も起こり得ます。

また、対象者の方がうまく行えない動作を特定した上で、その原因が何であるか(疾患による後遺症による影響、選択されている動作の方法に問題がある、利用している道具・環境が適切でない等)を分析します。

そして、将来的に改善が可能か、もしくは困難であるかを予測する際にも重要となります。

さらに、目標設定や治療プランのみではなく、どういった課題を解決するために、「何を・なぜ・誰が・どのような時に・どのように行うべきか」の説明が行いやすくなります。

対象者であるご本人・ご家族や、他職種(医師・看護師・ケアマネジャー等)と、予後予測や介入経過・方針についてのイメージを共有する際にも役立ちますし、介護者・介護職の方への介助指導にも役立ちます。

最近では、支援計画を立てる際に『工程分析』を意識してアセスメントされるケアマネジャーの方も増え始めています。

ADLIADLの自立度向上を目的とした支援で期待されることの多い療法士だからこそ、この『工程分析』は、多職種連携の中で分かりやすく説明ができるよう、具体的に言語化しておくことをお勧めいたします。

投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。