苦痛とは疼痛のみではない!
≪下記に該当する方は参考にしてください≫
〇これから終末期に関わりたいと思っている方
〇終末期にリハビリテーションが必要なのか分からない方
【終末期リハビリテーションのポイント⑨】
苦痛とは疼痛のみではない!
今回は終末期に関する苦痛について説明していきます。
セラピストの皆さまは『苦痛』という言葉を聞いた時にどのような原因を思い浮かべますか。
恐らく大半の方が疼痛を原因とした『苦痛』を連想するのではないでしょうか。
疼痛が生じるともちろん苦痛を伴います。
しかし、終末期においては、疼痛以外を原因とした『苦痛』も生じることから目の前の方が何を原因とした『苦痛』を感じていているのか把握することがとても重要になります。
終末期における『苦痛』の原因は四つに分類されます。
- 身体的苦痛:疼痛・他の身体症状・日常生活動作の支障
- 社会的苦痛:経済的・仕事上・家庭内の問題
- 精神的苦痛:不安・いらだち・うつ状態
- スピリチュアルな苦痛:生きる意味への問い・死への恐怖・自責の念
終末期においては目の前の方が『しんどい』という言葉を表出することもあれば、言葉の表出が無くとも苦悶の表情を浮かべていることもあります。
このような状況に遭遇した時にセラピストが疼痛のみを原因として考えてしまうとセラピスト自ら対応方法を限定することに繋がります。
終末期においては、まずはどのような原因から『苦痛』を感じているのか評価することが大切であり、信頼関係を構築する上で重要とされる相手が自分自身のことを理解してくれているということの第一歩目になりますので、身体的な評価と同時に傾聴による相互理解を深める取り組みを行ってください。
投稿者
小池隆二先生
理学療法士
湖東地域医療介護連携ワーキング部会員
能登川地区医療福祉ネットワーク 企画・運営
株式会社OneMoreShip 代表取締役