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OT浅田健吾の臨床家ノート 多職種連携について

地域包括ケアシステムが進められ始めたころから特に、『多職種連携』というキーワードを耳にする機会が増えた印象を受けています。

個人的には改めて強調されているこの『連携』という言葉が特別扱いされて独り歩きしているような事自体にやや違和感を感じてはいます。

それはさておき、皆さんは『多職種連携』がしっかり行えている状態とは、どのような状態と考えますか?

ある程度の完成形をイメージ出来ずして『多職種連携をしましょう!!』といっても、どこを目指していいのか、何が不十分なのかがわからず、改善も修正も出来ません。

私は『多職種連携』がうまくいっている状態を、

 

  • 必要な職種が揃い、
  • 解決すべき課題が合意・共有され、
  • それぞれが十分に専門性を活かし、
  • 相互作用が働いている状態

 

と、自分なりに定義しています。

①が成される為には、まず各職種の専門性や職域等を理解出来ていなければなりません。その上で、把握している課題解決に最適な職種に繋げる力が必要となります。

②は、クライアントを含めたチーム全員で課題とその解決策についてしっかり議論し、より明確化・具体化した課題・目標、そして解決を、合意する事です。

③は、課題解決の為に各職種がその専門性を活かして役割を担う事を指します。専門性を活かしますので、「何を・どのように・どの程度・どうやって」行うのか、一定の期間の先に「何がどう変化するのか」が明確であるべきと考えます。

④は『多職種連携』を行うメリット・目的であると考えます。専門職同士が行うお互いの仕事の間にどのような良い影響が起こるか。もしくは、相互に悪い影響が出ていないか。という事を指します。

「多職種連携がうまくいっていないな・・・」と感じた場合は、上記の①~④を順に、もしくは逆にさかのぼる事で、どこでエラーが起きているのかを分析してみてはどうでしょうか?

 

投稿者
浅田 健吾先生
イーリハ東大阪訪問看護ステーション
セミナー講師

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、平成29年より(株)コンパス イーリハ東大阪訪問看護ステーションでの勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。