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PT楠貴光の臨床家ノート 肩甲骨の機能を運動学的に考える その6

これまでに引き続き、鎖骨の触診として、遠位端に位置する肩鎖関節についてお話をさせて頂きます。

 ・『肩鎖関節の触診』

肩甲骨を後面から触診し、肩甲棘を外側方向へ辿っていくと肩峰の後外側端である肩峰角が触診できます。 

そのまま肩峰を前方へ触診していくと前外側の端にあたり、その内側に肩鎖関節があります。

 体表上で腹側から肩鎖関節に対して垂直に指先をたてて触れると、小さな窪みを感じることができ、肩鎖関節の位置を明確に把握できます。

 一方の手で鎖骨の遠位端を把持して固定し、他方の手で肩峰角と肩峰の前縁をつまむように把持して、前後方向に動かすことで肩鎖関節のわずかな動きが確認できます。

 肩鎖関節を軸として肩甲骨は、前傾./後傾、上方回旋/下方回旋、内旋/外旋といった3軸性の運動が可能ですが、それぞれの運動方向に分けて他動的に動かすことは難しいことから、前後方向への可動性を把握することで、肩鎖関節の動きを評価します。

 肩鎖関節の可動性が乏しい場合には、わずかな動きも感じないといった印象があり、同様の方法で、関節のモビライゼーションをおこない可動域の拡大を図ります。

 また鎖骨の遠位端骨折などでは、肩鎖関節(亜)脱臼を伴う症例も多く、不安定性などについても評価し、把握することは重要です。

  

投稿者
楠 貴光先生

六地蔵総合病院 リハビリテーション科
上肢機能に関する学会・論文発表が多数
臨床と研究を組み合わせて高いリハビリテーション効果を出している若手臨床家