ポジショニングのために必要なものはポジショニングクッションのみではない
今回は私がポジショニングセミナーを行っていて、非常によくきく質問に関して、回答をさせていただきたいと思います。
それは、勤務先においてポジショニングクッションがないがどのようにすればよいかといった内容です。
私自身、医療機関で勤務していた際、病棟のクッションは限られている中でどのように必要な方の優先順位を決めて対応を進めていくか頭を悩ませいた経験もあります。
在宅系においても自宅にない、単位数の問題で介護保険にてレンタルができない、などの課題もうかがうことがあります。
重要な視点はいくつかありますが
最も重要な視点は
ポジショニングのために必要なものはポジショニングクッションのみではない
という視点を自分が所属する組織全員が持てるようにすることです。
ポジショニングにおいては、市販のクッションや介護保険でのレンタルが可能なクッションなど様々なものが存在しています。
これらに関して何が優位かといったことは目的に応じて異なりますが、介護保険のポジショニング用のクッションでないと「何もできない」ということはないということです。
そしてその意識を全員が持てば、都度ご家族への交渉が徹底されたり、病棟における備品管理の視点から購入予算を法人と掛け合うなどの思考につながったりと様々道が開けます。
当然、これには時間がかかります。
まずは自身の患者様に対して100%家族との交渉を行ってみること、そのための伝え方や必要なものの選定について学ぶこと、そしてその動きをチームの動きにつなげること、チームメンバーが動き始めた時には、きっとクッションが足りないということはなくなっているはずです。
クッションが無い=ポジショニングができないではなく、ではどうすべきなのか?と考え、自分一人だけの対応から視野を広げてみることが、まず始まりであると私は考えています。
投稿者
波野優貴先生
理学療法士
福祉用具プランナー
シーティングコンサルタント
勤務先
◯株式会社SOMPO
◯大阪府立大学 非常勤講師
福祉用具論の一部を担当