リハビリ専門職必見!物事を伝える際のポイント②
会議やカンファレンスなどで述べた自分の意見・要望に周囲から同意を得られたものの、
その後の行動に「私のイメージと何か違う…」と思ったことはありませんか?
中には「きちんと根拠まで示したのに、どうして納得してくれないんだろう…」と悩まれる方もいるかもしれません。
こうした問題の解決策として、具体的な“結論”を話の前後で示すことを提案します。
以下は、療法士や専門職がよく口にする一文です。
「これまで、〇〇を行うことで改善するケースを多く経験しました。」
「文献では、〇〇の有効性が高いと示されています。」
「ガイドラインでは、〇〇が推奨されています。」
これらはいずれも、ある結論に辿り着くための根拠を説明しています。
しかし、根拠を並べるだけでは思うような行動を他者に促すことはできません。
『まず実行すること』が共有できていないからです。
「まず最初に結論を述べる」
という説明手法は非常に有名でよく耳にしますが、実際にうまく実践できているでしょうか?
自分が聞き手になった時、相手が「まず結論としては…」と話をし始めたはずなのに、結局よく分からない…と思ったことはありませんか?
それは、結論ではなく感想(自分が思ったこと)や目次(これから何を話すか)になってしまっているからかもしれません。
結論とは『最終的な判断をまとめること』です。
「こう思った」「こう言っていた」「こうだった」ではなく、
「誰が・何を・いつまでに・どうやって・どのような形に・するか(orしないか)」です。
相手に何かを提案・要求するのであれば、上記のように結論を可能な限り具体的に言語化する必要があります。
こうした結論を、
話の冒頭では要点(5W1HのWhat:何)のみを伝えることで、
「この人は〇〇について話したいのか」と相手にイメージさせることができます。
そして話の結末では具体的に(5W1H)伝えることで、この次に議論されることや行うべき行動において齟齬を減らすことができます。
結論を具体化するためには、
・問いかけ(相手からどういった言葉を引き出したいか)
・回答(自分は何に対する答えを求められているか)
このいずれかを、話始める前に整理・確認しておくといいでしょう。
説明力は、実践で養うものです。
仕事の中での実践はもちろんですが、
友人・家族との会話、
SNSでの投稿、
入浴中の独り言…
様々な場面でトレーニングは可能です。
自分なりの手法をもとに、どんどん試してみてください。
投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩
平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。