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循環器疾患・呼吸器疾患の利用者は廃用性筋委縮に注意

訪問リハビリテーションでは、多様な疾患を有する利用者にリハビリテーションのサービスを提供します。

利用者サマリーには「脳梗塞」とか「大腿骨頸部骨折」と記載されていても、いざ、訪問先で問診をしてみると心不全や呼吸器不全の既往歴があったり、服薬をしていたりすることが多い。

また、80歳以上の高齢者なれば、なんらかの老齢症候群が現れており、不定愁訴も多くなってきます。

従って、訪問リハビリテーションに携わるセラピストは、幅広い疾患への知識が必要です。

知識があれば、リスク管理が可能となり、して良いことと、してはいけないことの判断基準が明確になりやすい。

知識がなければ、リスクを多く見積もることなり、してはいけないことばかりを増やしてしまうことになり、結果、利用者の重症化が進むことになります。

循環器疾患や呼吸疾患を併発している高齢者は非常に多く、呼吸苦や動悸により活動性が低下していることを経験します。

しかし、ここで重要なのが疾患により呼吸苦や動悸が生じているのか?廃用性筋委縮による持久性の低下により呼吸苦や動悸が生じているのか?の判断です。

前者であれば、疾患そのもののコントロールが重要となり、血液データの確認や医師や看護師への上申が必要となります。

 

しかし、後者であれば、離床から立ち上がり、歩行などの獲得を通じて筋萎縮の予防が重要となります。

筋萎縮が進めば、持久性は当然低下します。

そのため、持久性が低下すれば、運動に伴い息切れや動悸が生じます。

このように、知識があればリスク管理が可能となり、リハビリテーションの方向性を定めることができます。

次回は廃用症候群の予防についてお話をしたいと思います。

投稿者
高木綾一
horcs

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科