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高齢者の転倒対策

今回は、転倒対策のうち高齢者の方に多い排泄に絡む転倒です。

特にこれらの転倒はお一人で外出が難しくなってくる日常生活自立度A(~B)の方に多い転倒です。

皆様は、こういった課題が挙がった際どのように対応されていますでしょうか?

トイレ動作の確認による環境整備はその対策のひとつではありますが、なかなかこれだけでは安全な排泄を達成することは難しいです。

重要なポイントは、多くの情報を集めることになります。

いつ排泄に行っているか?
どのくらいの間隔か?
動作としては安全なのか?
転倒はいつ起こるのか?
その周辺の排泄頻度は?
また1回の排泄での排出量は?本人の感覚は(残尿感や切迫感等)?
等々です。

これらをもとにして排泄の切迫性、また高頻度になることによる疲労が転倒を引き起こしていないかという部分も評価が必要になります。

動作とコントロール、両面で転倒につながる要因がないかを評価し、対策につなげる必要があります。

場合によっては、治療という手段が必要になることもあるため、多職種での連携も欠かせないということになります。

排泄と転倒は、主に居住系の施設における調査などでは、明確な関与が指摘されていたりしますが、在宅での報告は施設ほど多くはないように感じます。

しかし、実態としては、強いつながりが存在していることも多いと感じるため、施設、在宅関係なく、生活期における転倒の要因として、優先的に関与を検討していくべきポイントではないかなと感じています。

 

投稿者
波野優貴先生


理学療法士
福祉用具プランナー
シーティングコンサルタント
勤務先
◯株式会社SOMPOケアネクスト
地域包括ケア推進部生活リハビリ推進グループ
◯大阪府立大学 非常勤講師
福祉用具論の一部を担当