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生活機能という言葉ではなく意味を理解する!

≪下記に該当する方は参考にしてください≫

〇これから在宅リハビリテーションに関わる方

〇在宅現場で関節可動域や筋力トレーニング、歩行練習のみを行っている方

〇治療プログラムの実施において反復練習のみを行っている方

 

今回はICFにおける生活機能の捉え方に関して説明していきます。

まず、皆さまはICFにおける生活機能とは何を示すのか知っていますか。

該当する項目としては、心身機能・構造、活動、参加という三項目になります。

これらの各項目に関しては皆さまもどのようなものなのか答えられると思います。

しかし、実際の在宅現場ではこれらの言葉は知っているが、現場で活用出来ていないという場面によく遭遇します。

そこで今回はどのように現場で活用していくのかということを説明していきます。

在宅現場でよく遭遇する場面としては、セラピストが治療している時に治療対象が心身機能・構造のみになっている、活動のみになっている、参加のみになっているということです。

具体的には毎回の治療において関節可動域運動と筋力増強運動のみ、トイレ動作における立ち上がり練習のみ、屋外歩行のみとただただ同じプログラムを反復しているだけという状況になっています。

これらを実施しているセラピストに対象者の問題点と治療プログラムを確認すると
〇〇関節の拘縮があるので関節可動域運動を実施しています。
〇〇筋の筋力低下があるので筋力増強運動をしています。
トイレ動作時に立ち上がりが出来ないので、立ち上がり練習をしています。
屋外歩行時にふらつきが生じることがあり、転倒リスクが高いので練習しています。
などの返答をよく耳にします。

問題点に対する解決策を講じているので、間違いではありませんが、ICFにおける生活機能という考え方からは逸脱しています。

ICFにおける生活機能とは心身機能・構造、活動、参加とこの三項目全てを指しているのです。

現場における治療においても心身機能・構造に対して治療していることが、活動のどの動作に繋がるのか、参加のどの動作に繋がるのかということを理解しておく必要があります。

そして心身機能・構造が改善したことにより、活動のどの動作が改善されたのか、参加のどの動作が改善したのかということもしっかりと説明出来なければ、セラピストのみが治療の結果に満足し、対象者は何も変化に気付いていないという結果になります。

在宅現場では対象者が在宅での生活を継続出来ることが最も大切になってきますので、生活するということがどのようなことなのかを再度理解した上でICFの生活機能を考え、現場の治療に取り組むことが重要と思います。

投稿者
小池隆二先生


理学療法士
湖東地域医療介護連携ワーキング部会員
能登川地区医療福祉ネットワーク 企画・運営
株式会社OneMoreShip 代表取締役