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OT浅田健吾の臨床家ノート 訪問系セラピストの初回訪問について リスクの評価と解決

 初回訪問時に真っ先に取り組まなければならない事は、「リスクの評価と解決」です。

今回から数回に渡って、この「リスク」について解説していきます。

リスクの評価・解決を行う上でまず重要な事は、対象者に関して提供された情報の確認です。

在宅における「本人の健康状態・心身機能に関わるリスク」については、以下の情報からある程度の予測を行います。

 医師からの指示書:疾患名、障害名、安静度や禁忌、内服指示

療法士からの情報提供書:活動状況、心身機能の状態、疾患に関する情報(治療経過、画像所見に関する事など)、本人の特性(性格、対人交流上の特徴、問題解決技能など)、リハの経過

看護師からの情報提供書:服薬、血糖値測定、インスリンやストーマの管理、褥瘡処置、点滴

 上記は、病院退院後のサービス開始時であれば入手しやすい情報です。不足している情報提供書があれば、迷うことなく速やかに発行と提供を依頼しましょう。

疾患によっては、検査データの結果が必要になる事もあるかもしれませんので、確認できる場合はしっかり目を通しましょう。

各種情報書類の依頼は、病院に直接でなく、まずは担当のケアマネージャーにすると良いでしょう。

 サービスの開始が病院退院直後でない場合は、医師からの指示書を除いてた書類が手に入らない事もあります。

その際は、医師の指示書から健康状態を予測する事に加え、担当のケアマネージャーからの情報収集とサービス開始前の事前面談での情報聴取が必要となります。

必ずしも、書面での情報収集が可能なケースばかりではありません。より良いリスク管理の為の方策とは、他職種と共に十分な検討を重ねた上での創意工夫が必要になります。

初回訪問時や日々の臨床の中でリスク管理に難渋する事が多い方(もしくは事業所)は、「予測の為に事前の情報収集が必要な事」は理解していても、「必要な情報が不足している事」に気付いていないのかもしれません。

思い当たる場合は、事業所の中で「そもそも必要な情報をしっかり収集できているか」という事について話し合う事を強くお勧めします。

投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。