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OT浅田健吾の臨床家ノート 訪問系セラピストの初回訪問について

私は訪問看護ステーションで勤務しています。今回はそんな訪問系リハビリテーションの現場の中でも、初回訪問時の事について私なりの考えをお伝えさせて頂きます。 

理学療法士等による訪問看護からのリハビリテーションは、1回あたりの大体40分~60分で予定を組まれることがほとんどだと思います。

訪問系は利用者の自宅に訪問しますので、予定の時間が来たら次の訪問先に移動しなければなりません。

サービス提供者が利用者宅を出たら、基本的にはその家には専門職が不在となります。

つまり、在宅環境(一部の施設系を除く)とは24時間なんらかの職種が関わる環境ではないという事になります。

これはつまり、病院のように観察強化や代行を依頼できないという事を意味しますので、何らかの課題を発見した場合は、発見した者がその場で課題をある程度解決しておかなければいけないという事になります。
(例:病院にて、夜間帯のトイレでの排泄が安全に行えるかどうか不安が残る→病棟からポータブルトイレを借りてきて設置 or 看護師に夜間帯のトイレ見守りを依頼 etc 

しかし、先にも述べた通り訪問系の現場では次の訪問先までの移動や利用者のスケジュールがある為、時間の変更や調整を速やかに行いづらいという事があります。

その為、初回訪問では評価・アプローチの優先順位付けが特に重要になると考えます。

この優先順位付けをスムーズに行う為に役立つのが、事前情報です。訪問系で事前の情報収集に特に活用されるツールは、情報提供書:サマリーです。

この情報提供書は、ケアマネージャーや看護師、療法士からのものが活用される事となり、提供されなかった場合は非常に困るものです。

医療的な情報は看護師からの情報提供書にある程度記載されていますが、ADLIADLについての情報は療法士からの情報が非常に重要となりますので、病院や老健で勤務する療法士には手を抜かず作成して頂きたい代物です。

 もちろん、申し送りで一番役に立つ手段は、退院前カンファレンスやサービス担当者会議といった直接の情報提供です。

訪問系の療法士は、リスク管理の徹底の為にもこの機会を無駄にせず必ず参加するようにしましょう。

また、管理職の方はそれらの機会に現場の療法士が出席しやすい労働環境・スケジュールを整える事も心掛けてください。

 次回は、初回訪問時のリスクチェックのポイントについてお伝えします。

投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。