OT浅田健吾の臨床家ノート 台所作業で役立つグッズ
訪問リハをしていると、家事動作の相談を受ける機会が度々あります。
つい先日、ご利用者さんから台所作業の相談を受け、食器洗いやコンロ周りでの環境設定提案をしました。
その際に役立った情報をご紹介させて頂きます。
長時間の立位保持で腰痛が生じる場合
キッチンシンクの縁に引っ掛けたり、張り付けて使用する『クッション』があります。
素材はウレタンで、下腹部付近でもたれ掛かりながら作業ができるので、腰部への負担が軽減されます。
脊柱管狭窄症による破孔が生じる方は、『踏み台』を用意して片足を上げながら立ち作業をすると症状が出にくいようです。
握力や上肢機能が低下している場合
洗っている食器を手から頻繁に滑り落としてしまうが、ゴム手袋は余計に扱いにくいという方は、シンク内に『シリコンマット』を敷く事で、食器割れを防いでいる方がいます。
マット状であれば食器は滑らないので、把持もしやすいようです。
食器用洗剤のボトルをうまく操作できない場合は、洗剤を『プッシュ式容器』に入れ替えている方がいます。
茹でた野菜を、鍋からザルに移し替えられない場合
『水切り用のおたま』が販売されています。大きな野菜は事前にある程度カットしておく必要がありますが、重い鍋を持ち上げなくても片手で水切り・湯切りが出来ます。
片手で味噌汁を作りたい場合
『泡立て器』でそのまま味噌をすくい湯の中で混ぜれば、片手で簡単かつ短時間で味噌を溶かすことができます。
上記の商品は全て、ネット通販や100円ショップ、ホームセンターで購入可能な既製品です。
どれも比較的安価な物となっています。最近は介護用の製品以外でも非常に便利なグッズが多数販売されています。
特に家事動作については、主婦の発想から生まれた製品は大いに役立つ機会がありそうです。
投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩
平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。