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PT波野優貴の臨床家ノート 在宅におけるベッド柵の考え方

介護ベッドは病院からの退院時などに、福祉用具のレンタルとして導入されることも多いです。

そんな時ベッドや、マットレスに関しては、2モーターか3モーターか、硬めのマットレスか、褥瘡予防用のマットレスか等検討されていると思います。柵に関してはL字柵にするかどうかなども検討されることとおもいます。

もちろんベッド柵か、L字柵かについても非常に重要な視点になり、ベッドサイドに座った時の姿勢に影響します。

(これに関しては動画で取り上げていますので、よろしければご参照ください https://horcs.com/archives/1307

 本日は、ベッド柵を使用する際にどのような長さがいいのか、という点に関してのお話となります。

ベッド柵には各ベッドメーカーがいろいろな長さのものを用意されています。

90㎝程度のものから短いものでは40cm程度のものもあります。通常、病院、施設などで使用されているものは汎用性を考えて90cm程度のものが多いでしょう。

しかし、在宅に帰られる際に、病院でも使用していたからとそのまま同じようなベッド柵を使用することは、思いもよらない問題を引き起こす可能性があります。

 一番大きな問題となってしまうのは起き上がり動作でしょう。

起き上がり動作は、一般的には、オンエルボーやオンハンドといった姿勢を経由しながら同時にベッドサイドから足を出しつつ行っていきます。

この時、ベッド柵が長すぎることによって足をベッドサイドから降ろす時に干渉してしまったり、また介助で行う場合は、太ももが柵にあたってしまったりしてしまいます。このほかにもこの影響で起き上がれない等の弊害も出てくるかもしれません。

日本人(17歳を参考に)の坐高は男性で92㎝程度、女性で86cm程度とされています(平成27年度学校保健統計調査/文部科学省)。

高校3年生でこの坐高ですので、高齢者ではより坐高は低い数値となるでしょう。

ということは90cm程度の長さのベッド柵を使用するとどうしても起き上がる際には、一度ベッドの足元に体をずらしてからでないとベッド柵が干渉してしまうということになります。

限られた環境でなければ起き上がれない方にとっては、それだけで自分では起き上がることができなくなってしまうでしょう。

 ベッドを選んでいく場合には、ベッド柵もこのような視点で選んでいくと、その方の身体機能を活かし、自立度を高めるような環境整備が行えるのではないかと思います。ぜひ一度、現場で使用されているベッド柵の長さがその方に合っているか確認してみてください。

 参考:平成27年度学校保健統計調査
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa05/hoken/kekka/k_detail/1365985.htm

 

投稿者
波野優貴先生


理学療法士
福祉用具プランナー
シーティングコンサルタント
勤務先
◯株式会社SOMPOケアネクスト
地域包括ケア推進部生活リハビリ推進グループ
◯大阪府立大学 非常勤講師
福祉用具論の一部を担当