問題との向き合い方についての一案
日々生活していくうえで、様々な課題であったり、ストレスの対象と対峙することがあるかと思います。
即座に解決できる問題であれば良いのですが、中にはそう上手くいかない場合もあるでしょう。
そういった課題であっても、時間をかけたり、他者の協力を得ることで解決の目途が立つのであれば、
本人にとってのストレスは耐えうるもので済むことが多いかと思います。
しかし、『解決のめどが立たない課題』であればどうでしょうか?
例えば、
・嫌な先輩や上司と同じ環境で働き続けなければならない。
・しんどく感じる内容の業務に日々取り組まないといけない。
・傷病により後遺症を伴い、不自由が生じて辛い。
といった課題です。
こうした課題へ一般的に推奨されることが多い対処法に「嫌なことを忘れられるくらい没頭できる何かに取り組む」といったあります。
こうした『趣味』や『息抜き』といった類の活動に取り組むということは、短期的に考えれば一定の効果が期待できます。しかし、長期的にみると根本的な解決にはなっていません。
確かに趣味・息抜きに没頭している間は、(自身にとって)嫌なことから解放されるかもしれませんが、これは「嫌なことから目を背ける」という対処療法でしかありません。
つまり、「嫌なことがいなくなるわけではない」のです。
決して、趣味や息抜きには意味がないというわけではありません。
ただしそれだけでは、解決に向けて前進したことにはならないので、ストレスの回避や軽減はできない可能性が高いと考えています。
では、どうすればいいのでしょうか?
重要なことは、
「課題・ストレスの対象との向き合い方」について考えることです。
例えば、
・自分は、人間関係や業務のどういった部分にストレスを感じているのか?
・先輩や上司の嫌味な言葉や態度は、自分の情意面以外に具体的な不利益を生む可能性はあるか?
・挨拶や業務上必要な要件以外で、どの程度、どのようなことで関わる必要があるか?
・自分が必ずしなければならない業務と、可能な範囲で行うべき業務は何か?
・自分の能力で実現が予測できる成果と、今後達成を期待する範囲はそれぞれどの程度か?
・後遺症により不自由さがありながらも実行したいことと、実行することで得たいものは何か?
また、その実行手段はどういったことで代償できるか?
などです。
こうした考えを持ったとしても、課題が100%解決するわけではありません。
しかし、このように課題の本質と自分自身がどの程度の距離感を取り、どのように付き合っていくことができるかを具体化することで、自身が感じるストレスを最小限に留める可能性は高まるはずです。
正体がよく分からないものに対して漠然と持ち続ける不安は、耐え難いものです。
少しの手間と工夫を取り入れて、少しでも前向きな考え方に変換していきましょう。
投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩
平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。