PT山口剛司の臨床家ノート その20 背屈方向への可動域改善のための徒手操作
背屈方向への徒手的圧迫の方向について、説明をします。
背屈方向への可動性制限の因子としては、反対作用を持つ、底屈筋群による制限が挙げられます。その中でも底屈作用の補助動筋である筋群による制限が、とりわけ重要です。
これらの筋群は、主に側面に存在することが多く、内果および外果周囲にある筋肉を思い浮かべると理解しやすいと思います。
内果の組織としては、後脛骨筋・長母趾屈筋・長趾屈筋が屈筋支帯により束ねられており、外果には腓骨筋群(長腓骨筋・短腓骨筋)が走行しています。
これらの筋肉に対して、適度な圧迫を加えながらの他動的背屈運動を繰り返すことで、背屈運動軸の補正と背屈角度の改善が期待できます。
圧迫の方法としては、セラピストの手指の先端を使って圧迫する方法が良いと思います。
筆者は、母指か2.3指を使って筋、主に今回は腱の部分にずらすような圧迫を加えるように意識しています。
執筆者
山口剛司 PT, mysole®Grand Meister
Altruist 代表
理学療法士
フットケアコンサルタント
足部・足関節の関節可動域、筋力、アライメントなどの関節機能や歩行などの動作分析を行い、個人に適したインソールを作成するという足部・足関節のスペシャリストである。