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排泄に関連する福祉用具

排泄に関する福祉用具、おむつや尿器、自動排泄処理装置等々様々なものがあります。

この中でも尿器ですが、こちらは様々な形状や用途のものが豊富にあります。

実際に生活期の利用者の方々と関わっていると、様々な尿器を使用して、自分で起き上がることができなくても自立されている方を見かけることがあります。

私が経験した一例としては、男性の方で通常はトイレで家族の介助の元排泄される方ですが、コンドーム型のカップからベッド下に置いた集尿器へ排泄するタイプのものを使用して、家族の留守時にご自身で排尿を行われるという方がいらっしゃいました。

珍しい状況ではないかと思いますが、病院から生活期の現場に職場が移ったばかりだったころで、自分の排泄自立という概念がいかに狭いものであったかと知る経験となった方でした。

尿器での排泄はなかなか利用する方も勇気が必要で、どう使っていくのか想像ができないということも少なくないかと思います。

生活の一場面でその方法をとることが可能であれば、介護負担の軽減から在宅生活継続のための一助を担えると考えられます。

選択されるのは、ご本人、家族ですが、提示できることはやはり重要であると考えられます。

他におむつですが、こちらよく課題となるのは重ねづけの問題です。

拘縮が強い方などの場合ではうまくつけることが難しく、尿が漏れてしまうため、重ねておむつをつけることでその漏れを防止しようとしたりします。

しかし、これはほとんど意味をなさないということが多くのメーカー、セミナー団体、現場で発信されています。漏れが発生した後、重ねたおむつを確認してもほとんど汚れていないという状況が多いのです。

漏れを防ぐためには、やはりギャザーをしっかり立てて、しかるべきところに吸収体が当たっているということが重要といわれます。

私たちリハビリテーション専門職は、ポジショニングによりこの吸収体を当てやすい状況を作ることが可能です。

私もポジショニングにより、筋緊張の緩和が図れることでおむつからの漏れがなくなったという方を経験します。

排泄の課題ではありますが、用具の使い方や、適応だけでなく、使いやすい身体状況に調整できるということも重要ということがこれから言えると考えられます。

どんな福祉用具を使用して、排泄を行うのか、そのためにはどのような身体状況が必要となるのか、より使いやすくするためにはどのようなアプローチが必要かを私たちリハビリテーション専門職は、考えていく必要があります。

投稿者
波野優貴先生


理学療法士
福祉用具プランナー
シーティングコンサルタント
勤務先
◯株式会社SOMPOケアネクスト
地域包括ケア推進部生活リハビリ推進グループ
◯大阪府立大学 非常勤講師
福祉用具論の一部を担当