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対象者が主体的に取り組むことで目標達成に繋がる

皆さまはこれまでの臨床現場において、対象者の方から「あなたに身体を診てもらえるから良くなる」「あなたがいないと良くならない」ということを言われたことがあるでしょうか。

これらの言葉は一見とても良い言葉に聞こえると思いますが、あくまでも一側面のみから考えると良い言葉になります。

これらの言葉の真意を考えたことはあるでしょうか。

 「あなたに身体を診てもらえるから良くなる」「あなたがいないと良くならない」

これらの言葉は全て『あなた=セラピスト』が主体になっています。

 もちろん各臨床場面や対象者の状態にもよりますが、常時セラピストが主体になるということはリハビリテーションを進めていく上でとても大きな弊害にもなります。

それは依存です。

リハビリテーションとは、対象者が主体的に取り組むことで目標達成に繋がります。

また、病院内でのリハビリテーションに関しては、毎日、対象者の方と関わる可能性がありますが、在宅の現場では週に1から2回、外来では数か月に1回という頻度でしかセラピストは対象者に関われない現状もあります。

セラピストと関わる頻度がより少ない在宅現場でセラピストへの依存度が高くなればなるほど、対象者の「自律」や「自立」を阻害することになるでしょう。

 当たり前のことですが、常に対象者とセラピストの両者は誰の為のリハビリテーションなのかということを意識しておかなくてはなりません。

また、同時に短期目標と長期目標達成までの期間設定を明確に行い、日々互いの取り組みが目標達成に近付いているのか確認しなければなりません。

対象者が常に受け身になっており、目標達成出来ない状況が永続的になった時には、セラピスト自身が対象者に対し、セラピストとして関わる意味があるのか自問自答するべきではないしょうか。

セラピスト以外が関わっても同じ結果が得られるかもしれません。

 

 投稿者
小池隆二先生


理学療法士
湖東地域医療介護連携ワーキング部会員
能登川地区医療福祉ネットワーク 企画・運営
株式会社OneMoreShip 代表取締役