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内反小趾と回外足について

高齢者で多くみられる下肢運動器疾患で、変形性膝関節症がこのアプローチにおいては、荷重時のダイナミックアラインメントをいかにコントロールするかが重要です。

その際は膝のみならず、足関節や足部への介入が有効なのです。

そしてこの場合は、右回外足で膝内反位を呈しており、膝関節内側の変形を来たす場合が多くみられます。

この場合は、アプローチの大前提としては、回外→回内方向への可動性を拡大することです。

ここで一つ加えたい評価が、足部評価で外反母趾や内反小趾があります。

これらの疾患は、変形初期には疼痛を知覚しやすいが、変形の進行が止まる頃には疼痛が消失しており、自身では意識しなくなるというのが特徴です。

特に外反母趾よりも内反小趾は、自身でも変形していることに気が付かないまま、放置しておくというケースも少なくない。

疼痛が消失しているにも関わらず、母趾および小趾が変形した位置にある場合は注意を要する状態です。

つまり、内反小趾のアライメント補正は、足部回外の補正に繋がるということなのです。

従って、膝内反アライメントをニュートラルポジションに補正するには、足部回内可動性と内反小趾の補正をして、足部からの運動連鎖を利用することが有効です。

回外足へのアブローチは、外側荷重(小趾側荷重)が優位な状況が多く、母趾側荷重が不十分な場合が多く認められます。

これは、回内運動ができないことが大きな要因で、距骨下関節、ショパール関節、リスフラン関節のいずれかの回内可動域制限を疑います。

中にはすべての関節に制限を認める場合もあり、細やかな評価が必要になります。

可動性の改善に伴い、回内作用を持つ筋への機能改善を図ります。

代表的な筋肉といえば、長腓骨筋です。

長腓骨筋は、強力な回内作用を持ち、母趾側での蹴りだしを行うのに大変重要な筋肉です。

執筆者
山口剛司 PT, mysole®Grand Meister

Altruist 代表
理学療法士
フットケアコンサルタント

足部・足関節の関節可動域、筋力、アライメントなどの関節機能や歩行などの動作分析を行い、個人に適したインソールを作成するという足部・足関節のスペシャリストである。