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各認知症における症状の特徴 -Lewy小体型認知症-

認知症疾患の中では約20%と、Alzheimer型認知症に次いで多い変性性認知症疾患がLewy小体型認知症です。

変動する認知障害、パーキンソニズム(動作緩慢・寡動・制止時振戦・筋強剛のうち、いずれか1つ以上)、繰り返す具体的な幻視が特徴的な中核症状とされています。

また、示唆的特徴としては
レム期睡眠行動異常症
(例:睡眠中にはっきりと喋りだす、手足を振り回す、立って動き出すなど)
顕著な抗精神病薬に対する過敏性
(姿勢の不安定性・繰り返す転倒・失神または一過性の無反応状態・高度の自律機能障害:便秘、起立性低血圧、尿失禁など・過眠・嗅覚鈍麻・幻視以外の幻覚・体系化された妄想・アパシー・不安・うつ)
などもあげられています。

 初期では記憶障害が目立たない場合が少なくないため、注意障害・遂行機能障害・視空間認知障害の有無を検討することが重要となります。

その他、レム期睡眠行動異常症・パーキンソニズム・歩行障害・自律神経症状・嗅覚障害・幻視・幻聴・せん妄・睡眠障害や精神症状が、Alzheimer病と比較して初期・前駆段階から確認されやすい症状と言われています。

 パーキンソニズムは、認知症を呈するパーキンソン病と比較すると安静時振戦や左右差は少ないと言われています。

しかし、処理速度・視空間認知機能・遂行機能・注意機能などの認知機能障害は、Lewy小体型認知症の方が大きいとされています。

 認知機能障害や生活機能障害の進行予後については、Alzheimer型認知症と同様と言われています。

一方で、初診からエンドポイント(入所・入院・死亡)までの期間はLewy小体型認知症の方が短いとも言われています。

 

 投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。