臨床現場における車いすの提供方法
今回は臨床現場における車いすの提供方法についてご紹介します。
すごく基本的な内容ですが、退院や退所支援などにおいては非常に重要になる部分であると思います。
昨今、理学療法士が患者、利用者にかかわる場所としては、①病院、老人施設(特に老健)などが多くを占めているかと思います。そのほか在宅においては、②訪問リハビリが主体となります。
それぞれの場所において、車いすの提供方法はどのようなものがあるのでしょうか?
多いものを見ていきたいと思います。
①病院、老人施設(特に老健)
ここでは入院/入所中と、退院/退所後に分けてお話をします。
入院/入所中に関しては、基本的には、病院、施設側が提供することになっています。
特に施設においては、福祉用具などは基本的に施設側の備品として準備すべきものとなっていますので、入院/入所先が購入等行い、利用者へ提供することになります。
(福祉用具という物品の特性上、身体の状態に合わせる必要がありますので、レンタルで賄っている等様々な方法をとっている事業者があります)
退院/退所後ですが、介護保険の居宅サービスを使用できる場合、福祉用具のレンタル制度を使用し、その方に合った車いすを提供することができます。
これが使用できない場合、障害者総合支援法など、別の方法を使って購入などで提供されることになります。
②訪問リハビリ
ここでは、上記の退院/退所後の使用の方法と基本的には同じになります。
この際、多くの場合は、ケアプランに基づいて居宅サービスを用いる形であると思いますが、居宅サービスには介護度に応じて、利用限度がありますので、注意が必要です。
いかがでしょうか?
基本的な部分のみ抑えた形になりますが、いずれの方法にしても直接提供するのは、リハ職ではなく別の専門職になります。
上記の方法それぞれに「流れ」や、「加味すべきこと」などがありますので、そのあたりを抑えたうえで連携をとっていくことが重要になります。
波野優貴先生
理学療法士
福祉用具プランナー
シーティングコンサルタント
勤務先
◯株式会社SOMPOケアネクスト
地域包括ケア推進部生活リハビリ推進グループ
◯大阪府立大学 非常勤講師
福祉用具論の一部を担当