OT浅田健吾の臨床家ノート 目標設定のポイント 意欲を引き出すための目標設定
意欲を引き出すための目標設定のポイントについてお話します。
まず目標は、基本的に“達成された状態”をイメージして立てられる事が多く、“達成できない”とわかっているものがわざわざ位置付けられる事はありません。
仮にセラピストが関わる計画書に、対象者が「どうせ無理だろう」「よくわからないが先生がサインしてくれというから」といった考えを持っていれば、署名があったとしても真に合意形成ができているとは言えません。
そのような目標は「対象者にとっての目標」ではなく「セラピストにとっての目標」になっている可能性が高いと考えます。
対象者ときちんと合意形成された目標であれば、「その目標を達成したい理由 や 目標達成により生じること」を明らかにする(例:この目標が達成されれば、家族と共に旅行に行くことができる)と、対象者の意欲が引き出されやすくなります。
加えてセラピストが、目標達成までの道筋(どのような方法で、どういった過程を経て達成するか)を具体的に説明できると、リハビリテーションに対する対象者の協力がさらに得られやすくなります。
ちなみに、目標が“曖昧”であれば意欲の向けどころがわからなくなり、“高すぎる場合”は諦めを誘発してしまうので、「具体的で、少し頑張れば達成できる目標」の立案を心がけましょう。
また、「極度に自信が持てない対象者」の場合は、「できるけどしていない事」を「している事」に変える目標であれば良いと考えます。
投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩
平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。