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高齢者の薬剤問題 ポリファーマシーと処方カスケード

服薬に関しての専門用語として、ポリファーマシーと処方カスケードという言葉があります。

セラピストとして高齢者にかかわるうえでは、絶対に知っておきたい専門用語になりますので、本日はこちらをお話いたします。

ポリファーマシーに関しては、多剤服用と訳されますが、ここでの意味は単なる多剤服用を指すのではなく、それにより有害事象が生じている、あるいはそのリスクが増加している状態を指しています。

ここでいう有害事象とは、薬剤性の意識障害や、循環障害、認知機能低下、運動機能低下などをさします。

一般的に高齢者の場合、併存疾患も多く、このポリファーマシーが起こるリスクは高いとされています。

研究では主に6剤以上で有意に有害事象が起こるリスクが高いとされています。

各疾患に対する処方の把握とその効果の報告がポリファーマシー予防のためにコメディカルが果たすべき役割と考えられます。

次に処方カスケードです。

これは、服用している薬による有害事象を新たな病状としてそれに対して、新たな処方が生まれる「処方の連鎖」をさします。

ポリファーマシーの一要因とされますが、主には、様々な医療機関を受診することで起こります。

お薬手帳はこの対策のためにも存在しているものになるため、しっかりと活用していくことで、薬剤師と医師の連携がとれるようにすることが重要とされています。

いかがでしょうか?

通常のリハビリテーション業務ではあまり聞きなじみのない言葉でもあるかと思いますが、在宅の現場において多職種連携を実践していくためには、このような在宅医療の基本的な専門用語も抑えておく必要があります。

 

投稿者
波野優貴先生


理学療法士
福祉用具プランナー
シーティングコンサルタント
勤務先
◯株式会社SOMPOケアネクスト
地域包括ケア推進部生活リハビリ推進グループ
◯大阪府立大学 非常勤講師
福祉用具論の一部を担当