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PT山口剛司の臨床家ノート その15 小趾側荷重の機能

小趾側荷重の機能は、非常に重要視しており、意外にも一般の方よりもむしろアスリートの方が、小趾側荷重機能の一時的な低下をきたしている場合が多い印象です

小趾側荷重の機能は、身体機能に関係なく、足に求められる機能は、皆同じです。

つまり、

小趾側に荷重するために必要な機能

・距骨下関節の回外方向への可動性があること

・第5中足骨の安定性があること

・内反小趾の有無、小趾外転筋と短腓骨筋の筋機能があるか

これらの問題は、最低限対処しておく必要があるということです。

・距骨下関節は、形状が複雑な関節面をですが、回内外の運動軸を意識して、回外

方向へ徒手的に可動性を獲得しておく必要があります。

特に他動的に動かす際は、運動軸を意識するとうまく動きますし、意外と可動性は大きいものです。

特に扁平回内足で母趾側荷重が優位になっている場合は、距骨下関節回内位での荷重習慣化によって、同関節の回外方向への可動性が乏しいケースが多くみられます。

回外方向への可動性は、ゆっくりと回外運動をして小趾側で安定して荷重するために重要な働きをする関節です。私見では、この可動性は、後脛骨筋の筋機能を改善するのに必要だと考えています。

・第5中足骨の可動性は、動きすぎてはダメだということです。第5中足骨は特に近位部での安定性が重要であり、底背屈方向に動き過ぎると、小趾側での荷重が安定しないという現象が生じます。

つまり動作時では、一旦小趾側に安定した荷重ができた後に母趾側へ荷重移動することが、重要な要素であり、これはラケット競技やスイングするような動作において特に重要です。

執筆者
山口剛司 PT, mysole®Grand Meister

Altruist 代表
理学療法士
フットケアコンサルタント

足部・足関節の関節可動域、筋力、アライメントなどの関節機能や歩行などの動作分析を行い、個人に適したインソールを作成するという足部・足関節のスペシャリストである。