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認知症の行動・心理症状と、その評価方法について

認知症を発症すると、中核症状を基盤として様々な行動・心理症状(以下、BPSD)が生じ得ます。

認知症疾患ガイドラインでは、BPSDを以下の4つに分類しています。

 1.活動亢進に関わる症状

焦燥性興奮、易刺激性、脱抑制、異常行動などがこの分類に含まれます。

不安・焦り・イライラが常に募った状態となっていると、周囲からのちょっとした声かけや身体接触、妄想等がご本人の興奮に繋がり、怒りや攻撃といった行動を引き起こすことがあります。

 2.精神病様症状

幻覚や妄想が、この分類に含まれます。

これらの症状は周囲からの説明ではなかなか訂正がきかないことが多いと言われています。

 3.感情障害が関わる症状

認知機能の低下を自覚することで生じる不安や焦りは、うつ状態へと移行することもあります。ア

ルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では、こうした不安やうつの症状を示す方が少なくあり

ません。

 4.アパシーが関わる症状

アパシーとは、自発性や意欲の低下を意味します。うつ状態と混同されやすい傾向にありますが、悲

哀感や自責感といった情緒の欠如が特徴的です。アルツハイマー型認知症で多くみられます。

 

 こうしたBPSDの評価を個人による観察のみで行うことは、観察者の経験や技量に大きく左右され信憑性に疑問が生じますので、ツールを用いた評価が有用となります。

 NPI(Neuropsychiatric Inventory)は精神症状の有無や頻度を評価するツールで、国際的にも多く使用されています。認知症者のBPSDの頻度、重症度に加えて、介護者の負担度も数量化できる評価方法です。

 Behave-AD(Behavioral Pathology in Alzheimer’z Disease)は、妄想と幻覚に関する項目が充実した評価ツールとなっています。全25と項目数が多い評価法ではありますが、BPSDを見逃しにくいという側面を持ちます。

 CMAI(Cohen-Mansfield Agitation Inventry)は、Behave-ADの攻撃性・行動障害に相当する質問項目で、一定期間内の具体的な行動障害の出現頻度を介護者より評価します。

評価すべき項目に合わせた適切なツールを用いることで、各症状の変化を経時的に細かく追えることに加え、評価の過程で介護者が『対象者ご本人が有する症状に気付く』という教育的側面も期待できると考えます。

 

投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。