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荷重点位置の再考

足部評価において重要な視点は、左右の足部の荷重点位置がどこに存在するかを把握することであり、これはこれまでに何度も述べてきました。

この観察は、四つの動作項目【立位・片脚立位・歩行・フォワードランジ】において、注意深く観察すると容易に判断ができます。

荷重点位置とは、平均的にたくさんの時間、荷重点が留まっている位置のことを示し、これはその方の持つ荷重機能の特徴を表しています。

つまり、これはその方の得意な足の使い方を示しており、よりパフォーマンスを発揮しなければならない時に、荷重点位置が著明になることが、特徴です。

この方式で、多くの足関連ならびに下肢疾患など、慢性運動器疾患の関連性がわかってきました。

信じられないかもしれませんが、足部の運動の特徴をつかむことで、特にスポーツ動作などの特徴を推測することができ、高い確率で本人に納得いただけることをよく経験します。

足部機能と荷重点位置の捉え方、荷重点位置と目的となる動作との関連性をどのように考えるか?が重要です。

例えば、テニス選手の場合(図はバスケットボール選手ですが・・・)、主に競技の動作特性としては、側方への移動であり、この時は常に足部はブレーキ作用(制動作用)が求められます。

つまり、動いていけば次には方向転換が待っており、自分の推進力を一旦抑えて、違う方向へと変換せねばなりません。

ここで多くは母趾球荷重を求められていると勘違いが生じているのですが、実は母趾球荷重ばかりしていると、足部の自由度は減少し、股関節の外転筋群などの機能不全が起こる可能性があります。これは、効果的に下肢機能全体を発揮できない可能性があるということです

決して母趾球荷重を否定しているわけではありません。

母趾球での荷重機能は、推進力や駆動力には大変有効であり、必要な機能なのですが、ずっと母趾球ではダメということです。

つまり望ましい機能としては、小趾側荷重機能も備わっている必要があり、これは、体幹や身体全体の側面の安定性を担う機能として、大変重要です。

つまり側方へのステップなどの機能としては、移動する際は母趾球荷重→ストップ&方向転換の際は、一瞬でも良いので小趾側荷重ができなければなりません。

そして、小趾側荷重機能は、前後方向のダッシュ→ストップ→ステップの際にも、大変重要な機能担っており、特にスライディングをしながらのショットの際にも、底屈位での小趾側荷重機能が重要なのです。

図は、右側方から反対方向もしくは違った方向への転換をする瞬間を示している。

(無断転載禁止 ※福山真樹氏より提供イラスト)

この際は、右の足関節底屈と足部内反での小趾側荷重機能が求められている。

この機能は、次に方向転換する際に必要な母趾側荷重機能へと円滑に移行するための重要な局面であり、この動作時は小趾側荷重の意識付けが有効な練習となる。

執筆者
山口剛司 PT, mysole®Grand Meister

Altruist 代表
理学療法士
フットケアコンサルタント

足部・足関節の関節可動域、筋力、アライメントなどの関節機能や歩行などの動作分析を行い、個人に適したインソールを作成するという足部・足関節のスペシャリストである。