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PT小池隆二の臨床家ノート『訪問現場の実際』 呼吸器疾患に対する触診のポイント②

今回は、在宅現場における『呼吸器疾患に対する触診のポイント②』を説明していきます。

 ≪下記に該当する方は参考にしてください≫

〇呼吸器疾患の評価に対して苦手と思っている方

〇呼吸器疾患に対する評価で触診は実施するが何を評価するのか分からない方

 【呼吸器疾患に対する触診のポイント②】

運動学を理解する

今回も触診に関してお伝えしていきます。触診をする時に大事なことは前回お伝えした

『手の力を抜く』ということになりますが、手の力を抜き、胸郭の動きを確認していく時に胸郭の正しい動きを理解しておかないと正常範囲なのか、異常なのかという判断が出来なくなります。これは歩行に関して歩行周期による各関節の動きを覚えることと同じことになります。

  【胸郭の運動学】

・胸郭を上部と下部に分けて考えます

・吸気時:胸郭は広がる 呼気時:吸気で広がった胸郭が元に戻る

・吸気時:上部胸郭(矢状面) 前上方に広がる 胸郭の前後径が増大

下部胸郭(前額面) 外上方に広がる 胸郭の横径が増大

上部胸郭の動き
イラストby福山真樹(医療関係専門イラスト福之画

下部胸郭の動き
イラストby福山真樹(医療関係専門イラスト福之画

 上記の上部胸郭と下部胸郭の動きを理解した上で触診を行います。この時にも触診する手は胸郭に置くだけであり、触診している手に力が入り呼吸介助にならないように気を付けてください。

 はじめは健常者同士で触診を行い確認していくと分かりやすく、被検者が深呼吸をしてあげるとさらに動きが分かりやすいので試してみてください。また健常者を複数名触診していくと健常者においても個別差を感じることが出来ると思いますので、こちらも是非お試しください。

 

 投稿者
小池隆二先生


理学療法士
湖東地域医療介護連携ワーキング部会員
能登川地区医療福祉ネットワーク 企画・運営
株式会社OneMoreShip 代表取締役