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『訪問現場の実際』 リスク管理の優先順位に関して

今回は、在宅現場における『リスク管理の優先順位に関して』説明していきます。

 ≪下記に該当する方は参考にしてください≫

〇リハビリテーションの中で最も優先順位の高い対応が運動療法と考えている方

〇内科の疾患対応が苦手だと思っている方 

【優先順位が高い問題点とは】

生命の危機に直結するもの 

前回は、近年、複数疾患を有する方が増加してきており、リスク管理が難しくなってきているというお話をさせていただきました。

複数疾患を有することは、単一疾患を有することと比較し、症状の現れ方も複雑になります。

例えば、単一疾患で肺炎を有している方と複数疾患で肺炎と心不全を有している方が居たとします。

単一疾患を有している場合は、一つの疾患に対するリスクのみを考えるので、優先順位は自然と決まります。

しかし、複数疾患を有している場合は、どちらの疾患の方が、現状、リスク管理として優先順位が高いのかを判断しなければなりません。

この優先順位を間違えるとリスクのある状態をさらに悪化させる結果につながります。

では、次に評価項目の比較を考えます。

肺炎のみ有している時には、主に酸素飽和度や呼吸数、体温や心拍数などを評価することになります。

一方、肺炎と心不全の複数疾患を有している時には、上記、評価に合わせ、血圧や浮腫、飲水量や排尿の量、四肢冷感、起坐呼吸、頸静脈怒張、一日の塩分摂取量など評価項目が追加されます。

このように評価項目が多くなるだけで大変と感じる方も多いと思いますが、最も大切なことは、先程もお伝えした通り、肺炎と心不全を比較し、目の前の方はどちらの疾患の方が状態として悪いのかを判断しなければなりません。

この判断にはもちろん医師の診断が必要ではありますが、セラピストから医師へ現場でのフィジカルアセスメントを報告することにより、そのことも踏まえ医師が診断や状態の判断をすることもあります。 

医師は、症状の訴えや血液検査、レントゲン検査などの結果から診断を行うが、在宅という実際の生活場面において日常生活動作などの動的な部分の評価はセラピストの方が適しているのではないでしょうか。こ

のように医師と連携を図り、リスク管理の優先順位を明確にした上でリハビリテーションを進めることが大切になります。

 投稿者
小池隆二先生


理学療法士
湖東地域医療介護連携ワーキング部会員
能登川地区医療福祉ネットワーク 企画・運営
株式会社OneMoreShip 代表取締役