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PT山口剛司の臨床家ノート その18 偏平足と足部内在筋

扁平足に対するアプローチは、回外運動が有効的です。

これには、前脛骨筋・後脛骨筋・母趾屈筋ならびに足趾屈筋になどがあります。

後者の母趾屈筋や足趾屈筋は内在筋と呼ばれ、細かな筋肉ですが、荷重時の足部土台作りに大きく貢献しています。

ただ随意的に活動させることが少々難しい印象があります。

そして、背側底側の骨間筋とよばれる筋肉があり、これはMTP節を屈曲する作用があります。

MTP関節の単独での屈曲関節運動は、足部をドーム状にする作用があり、具体的には前足部の回外運動が生じることで、横アーチを形成する役割があります。

この筋肉は、足部全体の回外作用を補助します。

これらのことから考慮すると、安直に足趾を屈曲させるタオルギャザーなどは、内在筋と外在筋を同時に活動するばかりか、何の作用に対するエクササイズなのかが不明瞭なのがわかります。

意味がないわけではないのですが、運動規定はきっちりしておく必要があります。

このエクササイズに関わらず、すべてのエクササイズは運動規定がしっかりできていなければ、効率の悪い運動になります。

なんの目的で、どの機能を高めて、どういった動作に繋げたいのか?がはっきりしていなければ、正しいエクササイズ指導はできません。

この足の運動規定においても、細かな運動学の知識と運動観察力が必要となりますが、思考錯誤しながら、運動を遂行してもらうと良いでしょう。

また、高齢者などの運動習慣化ができない方、お仕事で忙しく運動ができない方には、

正しいアキレス腱ストレッチング

オーダーメイドインソールの使用

2つで、あとは『何々しながら、エクササイズ』的な発想で、移動手段としての歩行動作をしながら、足部機能を補うようにしています。

は足部機能にとってたいへん重要な距腿関節背屈運動の角度と方向を整え、

は、その方にとって正しい足底圧の位置をコントロールし運動学習することで、良い筋活動に変化していくことを期待します、

余計なセルフエクササイズをさせるよりもずっと効率が良く、また歩くという運動のきっかけ作りとしては、最良の策であると私は考えています。

執筆者
山口剛司 PT, mysole®Grand Meister

Altruist 代表
理学療法士
フットケアコンサルタント

足部・足関節の関節可動域、筋力、アライメントなどの関節機能や歩行などの動作分析を行い、個人に適したインソールを作成するという足部・足関節のスペシャリストである。