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PT小池隆二の臨床家ノート『訪問現場の実際』 ⑥病院と在宅における環境の違い ~リハビリ実施時の視点~

今回は病院と在宅における『リハビリ実施時の視点』に関してお伝えしていきます。

 【在宅で必ず求められる能力】

目の前の対象者が運動しても良いのか判断する力

≪下記に該当する方は参考にしてください≫

〇在宅でのリハビリテーションにおいて運動療法を最優先にしている方

上記に関しては、今さら何を言っているのかというセラピストの方々も多いと思われます。確かに学生時代の実習の時から求められていたことでしょう。

しかし現在、訪問の現場において様々な場面で様々なセラピストと会うなかで実際に現場レベルで十分に対応出来ているセラピストは少数だと感じております。

 在宅のみならず病院内でリハビリを実施しているセラピストの中でリハビリ開始前にバイタルを計測してから運動療法を開始している方はどれぐらいいるでしょうか。

さらにバイタルを計測している方の中で異常値が計測された時に異常値の発生機序を理解し、適切な対応をしている方はどれだけいるでしょうか。

検査や測定等の評価において、ただ数値を計測し、見るだけでは何も意味がないのです

国家資格を持っているセラピストが計測する意味とは、異常値に対して解剖学や生理学、疾患学などを踏まえ、目の前の方の全身状態を理解し、身体を動かすことが可能か不可能かを判断出来るということです。 

現在、在宅でリハビリを提供する対象者に関しては、おおむね80歳以上の高齢者になります。

病院内では医師や看護師が常時同じ建物内で働き、何かあればすぐに対応してくれます。

しかし在宅ではリハビリを提供する時に同じ建物内に医師や看護師が居ることはほとんどありません

このような状況下ではセラピスト自身が評価に基づく判断をする場面にとても多く遭遇します。

また近年では医療や介護における裁判も当たり前の時代になってきております。

このことからも今後のセラピストに対しては、今までのように身体機能に対する運動療法や活動、参加などの動くということだけではなく、まず目の前の人がどのような全身状態で今から身体を動かして良いのかというリスク管理がさらに求められることになるでしょう 

まずは解剖学生理学疾患学を理解していくことがはじめの一歩になることでしょう。

 投稿者
小池隆二先生


理学療法士
湖東地域医療介護連携ワーキング部会員
能登川地区医療福祉ネットワーク 企画・運営
株式会社OneMoreShip 代表取締役