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OT浅田健吾の臨床家ノート “食事”という活動・行為について④

私は在宅で日々臨床を行っています。

病院と違い、血液データが小まめに確認できなかったり、食事摂取量を細かく記録しているケースは非常に少ないので、他の方法で栄養状態を確認しなければなりません。 

管理栄養士の方に、我々療法士が在宅で栄養チェックを行う場合、まずどのような事が必要かを相談したことがあります。

その際の回答は「ある程度は大まかで構わないので、どの程度の栄養を取り入れているかを“把握する癖”をつける。

そして、必要に応じて適切な職種へ繋ぐ」という事でした。その上で、具体的な手段もお教え頂いたので、数回に分けてご紹介させて頂きます。 

まずは、『体重やBMI の経時的チェック』です。

特に高齢者の場合は、状態変化と合わせて食事摂取量も著明に変化しやすい傾向にある事は皆さんご存知の事でしょう。

しかし、食事摂取量は確認するのに、何故か体重を小まめに計測しない療法士が多い印象を受けています。

不思議ですね。 

寝たきりの方など、簡単に体重測定ができない方ももちろんいらっしゃいますが、大抵の方のご自宅には体重計はあると思いますし、通院されている方でしたら医療機関でも体重測定は可能です。

方法はたくさんありますので、必ず確認しましょう。 

ちなみにこれも皆さんご存知と思いますが、成人の適正体重は 『(身長m)2 ×22』で、BMI計算式は『体重kg ÷ (身長m)2』です。

標準値はインターネットで簡単に検索できます。

我々療法士は、エネルギー消費(アウトプット)にアプローチが偏りがちですが、栄養摂取状況(インプット)を把握せずして機能改善はありえません。

最近では、“リハビリテーション栄養”という言葉も当たり前になりつつあります。

我々は、機能・能力の維持・改善を図っているはずなのですが、不必要なダイエットをさせて、筋力や持久力を更に低下させてはいませんでしょうか?

 

投稿者
浅田 健吾先生
イーリハ東大阪訪問看護ステーション
セミナー講師

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、平成29年より(株)コンパス イーリハ東大阪訪問看護ステーションでの勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。