ルールを守る?守らない?
『規範意識』と聞いた時にこのこと自体がリハビリテーションに関わるものだと感じる方は皆さまの中でどのぐらいいるでしょうか。
言葉のみを聞くとあまりリハビリテーションとは関係のないものと思う方の方が多いと思います。
しかし、この規範意識ということはリハビリテーションを進める上でとても重要なものであり、特に在宅ではこの点に関する評価を行わないと一向にリハビリテーションが進まないということもあります。
規範意識とは、簡単な言葉で表すとルールを守ることへの意識ということになります。
皆さまも日々ルールを守りながら生活していると思います。
ではリハビリテーションの対象者は日々ルールを守りながら生活を送っていますか。
この点に関しては、病院内と在宅を比較するととても分かり易いと思います。
起床時間、食事時間、就寝時間等これらの項目を病院内と在宅で比較すると病院内では病院が決めた時間(ルール)に対し、基本的には入院している方全員がこの時間に物事を行おうとします。しかし、在宅では皆さまと同じように個々が決めた時間で生活を送ります。
また、病院内ではルールを守らないと最も厳しい対応として強制退院ということも起こります。
一方、在宅では個々で決めたルールを守らない時にもその後厳しい対応がないことが多いのではないでしょうか。
病院内では治療、リハビリテーションの優先順位が高く、リハビリテーション開始のきっかけも入院=リハビリテーション開始となることが多く、これらのことに加え、病院内では規範意識が高まることからセラピストから指導された自主練習も実施しやすい状況にあると言えます。
在宅ではリハビリテーションの優先順位が低く、周囲からの促しでリハビリテーションが開始され、規範意識も低いことから自主練習を行わないということも多く、結果としてリハビリテーションの目標が達成されないことも多くなっております。
今後、在宅で活動するセラピストはこれらのことを理解しながら対象者をマネジメントすることがさらに求められていくと思います。
投稿者
小池隆二先生
理学療法士
湖東地域医療介護連携ワーキング部会員
能登川地区医療福祉ネットワーク 企画・運営
株式会社OneMoreShip 代表取締役