看取り場所に対する気持ちの変化を大切に
≪下記に該当する方は参考にしてください≫
〇これから終末期に関わりたいと思っている方
〇終末期にリハビリテーションが必要なのか分からない方
【終末期リハビリテーションのポイント⑫】
変化があって普通である!
現在、看取る場所に関しては大きく分類し二つに分かれます。
一つ目は病院であり、二つ目は自宅を含む病院外となります。
国の方向性としては、在宅での看取りを進めておりますが、現在も病院で最期を迎える方が多いのが現状となっております。
終末期が近付くにつれ最期を迎える場所に関する悩みが出てくることは現場においてとても多く経験いたします。
また終末期を迎えている対象者の方の多くは実現が可能か不可能かは別として、自宅で最期を迎えたいという方が多く居られます。
まず、はじめに関わる側の方が理解しておかないといけないことは、その時その時で人の気持ちは変わるということです。
このことに関しては、対象者の方のみならず、ご家族の方にも当てはまることです。
終末期を経験する中で感じることは、ご自宅で看取る為には介護者の方が一人より二人、二人より三人とマンパワーは多い方が良いと思っております。
しかし、人数が増えると人数が増えた分だけ様々な意思が増えることも事実です。
一つの物事に対して全ての方々が全て同じ意見や理解を示すことはとても難しいことであり、終末期の現場においても対象者の方とご家族の方一人はご自宅で最期を迎えたいと思っているが、他のご家族は病院の方が良いのではないかというように方向性がまとまらないことがあります。
この時に大切なことはもちろん対象者の方の意思を確認し、関わる人たちはその意思(方向性)に向けて何が出来るのかと考え行動していくことになりますが、同時に対象者の方と意思が合致しない方々が何故そのような考えになっているのかという理由を明確にしていくことがさらに重要になってきます。
この理由に対して何が出来るのかということが本当の家族支援に繋がると思います。
セラピストだけではなく、医療従事者の方々においてもとても多いと感じることは、医療従事者が知っていることは一般の方々も知っており、また物事に対する理解も医療従事者と同じ理解が出来ると思っていることです。
終末期に関わるご家族は制度のこと、疾患のこと、予後のことなどの知識は皆無に近い状態であり、知らないことに対する漠然とした不安を抱えている方がとても多く居られます。
よって、医療従事者の方々はご家族にも現状そして終末期のことが理解出来るように情報提供を行い、選択肢も提示した上で様々な相談に対応し、対象者の方の希望に応えられるように最期の場所を一緒に作っていくことが求められております。
投稿者
小池隆二先生
理学療法士
湖東地域医療介護連携ワーキング部会員
能登川地区医療福祉ネットワーク 企画・運営
株式会社OneMoreShip 代表取締役