在宅リハ評価 生活パターンの聞き取りの重要性
対象者さんにどういった生活課題が存在するかを確認する目的で、生活パターンの評価はよく行われているかと思います。
今回は、そうした生活パターンの聞き取り時におけるポイント・注意点の確認です。
日常的なパターンであれば、朝起きてから就寝までの1日の流れを時系列で聞き取ることが一般的でしょう。
多くの方は、起床・食事・おおまかな家事・外出・入浴・就寝の時間を教えてくれるかと思いますが、『排泄』『更衣』『整容』や『食事の準備』『空いた時間の過ごし方』は聞かなければ意外とスルーされやすい印象を受けます。
1日における生活パターンの中からは、『実践している生活行為とそれらの流れ』『おおよその活動量』『その方が有する役割や興味・関心事』『他者との交流状況』などが読み取れますが、聴取を掘り下げていくと『時間帯によって生じる動作・行為の質的変化(時間帯によっては時間がかかる、疲れやすいなど)』が読み取れることもあります。
特に日中と、起床直後・深夜は覚醒や内服状況の影響や運動機能にムラによって動作の質が変化する方も多くいますので、要注意です。
上記のような聴取を行う際は、簡単な自宅の間取り図を見ながらそれぞれの時間帯にどこで活動しているかを確認してみてもよいでしょう。対象者さんの1日の動きが、よりイメージしやすくなるかと思います。
生活パターンを24時間だけでなく、1週間単位で評価すると、曜日によって異なる活動・参加が見えてきます。
例えば施設への通所や、買い物、近隣との関わり等、数日間隔で行われるような活動・参加でのリスクや配慮のポイントがみえてくるかと思いますので、1週間のスケジュールをご家族や担当ケアマネジャーに確認しておくとよいでしょう。
1ヶ月単位になると、外来受診や季節に応じたイベント(例:お墓参り、家族の帰省)などにおける介助ポイントが見えてきます。
1か月や1年に1回程度のイベントについても本人・家族に聴取しておくと、特に社会参加の側面でのリスク管理・介助指導や、新たな目標設定が加わることもあります。
投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩
平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。