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OT浅田健吾の臨床家ノート 目標設定のポイント 活動・参加を考える

昨今よく耳にする『活動・参加』というキーワードは、目標設定にも関与します。

 そもそも『活動・参加』が重要視される背景には、「回復の限界を十分考慮せず、心身機能へのアプローチによるリハビリテーションを漫然と提供し続けた場合、活動・参加へのアプローチによるリハビリテーションへ展開する機を逸し、結果として患者の社会復帰を妨げてしまう可能性がある」という指摘があります。

つまり、「機能訓練への過剰に固執は、時として自立支援を阻害する可能性を持つ」という事になります。

在宅領域で勤務されているセラピストの方々は、必死に機能訓練に取り組んで自宅退院したものの生きがいを見失って気分が落ち込まれ、入院生活と何ら変わりのない在宅生活を送っておられるケースを目にしたことがあるかもしれません。

一方で、その人の生活や人生(希望する生き方)を考慮した目標設定をする事で、治療への協力度や継続度、本人が感じる健康感が増すという研究結果があります。

 対象者の身体機能だけでなく、心理・認知の側面や生活についてのアプローチを可能とするのがリハビリテーション職種の強みの1つです。

対象者ならではの『活動・参加』の在り方を紐解き、目標に反映させましょう。

目標設定の重要性については、こちらの書籍もご参考になさってください。

『リハビリテーション職種の在宅リハビリ・ケア』株式会社シービーアール

https://cbr-pub.com/book/075.html

 

投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。