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PT波野優貴の臨床家ノート ポジショニングと拘縮予防

みなさんこんにちは。

在宅リハビリテーションケアスクール登録講師の波野優貴です。 

今回は、前回に引き続きポジショニングについてのお話です。

ポジショニングに関しては私もセミナーを開催させていただいており、毎回参加者の皆さんと、現場での試行錯誤を共有させていただいています。

ポジショニングの効果の一つに拘縮の予防という視点があるかと思います。

拘縮には有名な分類でHoffaの分類というものがあります。

これは関節拘縮の起こり方によって分類したもので、

・皮膚性拘縮(皮膚のやけど、創傷などによる瘢痕拘縮)

・結合組織性拘縮(皮下の軟部組織、靭帯、腱等の癒着や収縮によって起こる)

・筋性拘縮(筋の短縮、萎縮によって起こる、長期間の固定などによって生じる)

・神経性拘縮(神経疾患などによる筋緊張の変化などによって生じる)

・関節性拘縮(関節の構成体である関節包や滑膜が炎症や損傷で収縮して起こる)

に分けられます。

ひとえに拘縮の予防といっても、ポジションングによってこれらすべてに効果を及ぼせるわけではありません。

結合組織性拘縮では靭帯や腱等の癒着が起こっていますので、手術などが必要となることもあります。

ではポジショニングで影響を及ぼすことができる拘縮とは何なのでしょうか。

それは主に筋性拘縮、神経性拘縮といわれています。

ポジショニングの目的として拘縮の予防や、緩和を狙う際には、この分類を使用して、ポジショニングにより効果がある拘縮なのかを判断することも必要です。

中々ポジショニングを行っているが、効果が得られないと感じる方がいらっしゃれば一度、拘縮の分類を行い改善が可能なものなのかどうかから、見直してみると改善に向けたアプローチが見えてくるかもしれません。

投稿者
波野優貴先生


理学療法士
福祉用具プランナー
シーティングコンサルタント
勤務先
◯株式会社SOMPOケアネクスト
地域包括ケア推進部生活リハビリ推進グループ
◯大阪府立大学 非常勤講師
福祉用具論の一部を担当